南山タワーを見上げれば
竜山を中心に Vol.1

 

 

 

 

  

 

韓国が日本の植民地だった時代。
南山の北西側一帯、筆洞(ピルトン)・南山洞(ナムサンドン)・仁峴洞(インヒョンドン)・奨忠洞(チャンチュンドン)・会賢洞(ヘヒョンドン)、そしてソウル駅付近の厚岩洞(フアムドン)・龍門洞(ヨンムンドン)・元暁路(ウォンヒョロ)など竜山方面に日本人が多く住んでいました。
竜山には軍事施設が多くて、このエリア内はおいそれといじれないからでしょう、当時にたてられた建物と思われるものがそっくり残っています。

ただ“古く”て、“ココロの琴線に触れる”という理由で取り上げた建物もいくつかあります。


ソウル 厚岩洞(フアムドン)

ソウル駅、厚岩洞市場に行く出口を出ると大きな道路漢江路。粉食屋(トッポッキや天ぷらなどを売るおが並ぶ坂道を登っていくと、もうわんさか“それらしき建物”が見えてきます。

    

    

 

 


ひし形の模様と、白い木の窓枠が粋

 


きれいにリモデリング


南山のふもと、ソウルを見下ろせる高いところに厚岩ギル(道)はあります。
昔は三坂通りと呼ばれ、15あった日本人小学校の一つである三坂小学校はこの付近にあったそうです。

  丸窓の誘惑



山側に向かって、小さな坂道をいったりきたり。あるY字路に出ました。
そして見えたのがこの階段。坂道を登ったところに突如フラットなY字路が出てきてちょっと整いすぎ?と不思議に思っていたのですが、“ソウル生活の発見”(現実文化研究)の中にこんな記述があります。

  

 

“Y字路から厚岩スーパーがあるシンフンギルを見ると、道が再び二方向に分かれる。
そのうち左側の道は、非常に長い階段になっている。近所のおじさんは、この階段は植民地時代に作られたというのだが、本当かはわからない。だがセメントではなく石で作られているところ、形からするとそうかもしれない。”

 

ちなみにスーパー前の大きな茶色の建物もこの町の雰囲気にそぐわないような立派な建物でした。昔は何の建物だったのか・・??

階段があると登ってしまう・・疲れるとはわかっていながらも。初夏を思わせる強い日ざしの下をひいひいいいながら登りきると、なかなかいい風景がありました。

 

 

 

 

古い住宅が並ぶ駐車場のようなところ。とてもサイズが小さく今にも傾いて朽ちる音が聞こえてきそうな。(左写真の家は朽ち果て終わったとこですね)
人が住んでいるかどうかは不明。
ビニールシートを中途半端に巻きつけた古い家がならぶこの風景、廃墟好きにはたまらないでしょう。